北陸diary

謝恩行事・宗教教育講演会

11月16日(月)、親鸞聖人のご命日である16日に毎月行っている謝恩行事を行いました。本来は講堂に全校生徒が集まってご法話を聞くという行事ですが、新型コロナウイルスの影響が収まるどころか全国的に拡大傾向にあるため、今月も放送で宗教科主任・葉柴先生からご法話をいただきました。

前日の11月15日は「七五三」の日でした。神事として神社で行われる行事ですから仏教行事ではありませんが、子の健やかな成長を願う親の気持ちに宗派の違いがあろうはずがありません。高校生まで成長してきた皆さんは、親や周囲の人々の願いと支えの中ですくすくと育ち今日という日を迎えているのですね。互いに支え合う命を大切に思い、生かされ生きている命を喜びたい、というお話しでした。



午後は、本校礼拝堂において宗教教育講演会(教育振興会主催)が行われました。ご講師には、福井市・光壽寺の野世阿弥さまをお迎えし、「平等と自己責任論」というテーマでお話しを伺いました。野世さまには、北陸中学校の謝恩行事で同じテーマのご法話をいただき、午後は保護者と教職員向けにもう少し突っ込んだ形でお話しを聞くこととなりました。


私たちは日常の中で、弱い立場にある人々に対し、つい自分たちに都合がよい「自己責任論」を振りかざしていないでしょうか。子どもである、高齢者である、病気である、障害がある、貧困である、マイノリティである、いじめを受けている、仕事を失った、身寄りがない。。。「社会的弱者」に自分だけは絶対にならないという人はいないはずです。しかし目の前にあるさまざまな社会的排除の壁に気づき、弱者の立ち場に思いを寄せることは案外できていないものです。仏教では「人がありのままの姿で認められ、皆が喜びあっている状態」を、平等な関係としています。現実社会でこの「平等」を実現するにはどうしたらいいのでしょう。野世さまは中学生にもわかりやすいお話しから、この問題を私たちに考えさせて下さいました。


平日の午後という時間ながら、多くの保護者(教育振興会会員)の皆さまにお聴聞いただきました。誠にありがとうございました。