【吹奏楽部】第17回定期演奏会
8月22日(土)および23日(日)の両日、北陸中学校・高等学校吹奏楽部の第17回定期演奏会が福井市文化会館を会場に行われました。
例年ならば春休みに実施していますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐために3月から5月まで3か月間の臨時休校を余儀なくされ、演奏会を開くどころか日々の練習に部員が集まることすらできませんでした。6月に学校が再開されても、しばらくは練習できず、初めてまとまって演奏をしたのが6月下旬の図書館ライブ「ぶっつけ本番」。吹奏楽部にとって最大の目標であるコンクールが中止となった以上、せめて3年生の最後の舞台として保護者の皆さまを前に定期演奏会を行いたい。夢を抱いて入部してきた1年生に初舞台を踏ませてあげたい。だけど、どうやったらできるのか。。。感染防止に最大限配慮をしながら開催する方法を部員と顧問が相談しながら、考えて考えて、この日を迎えました。
今回はお客さまの「密」を避けるため、積極的な広報活動はせず、関係者のみに集客をコントロールして実施しました。ご容赦下さい。
第1部の2曲目は「レ・ミゼラブル」。顧問の成川先生が編曲を加えて、3年生が次々とソロを披露。元の楽譜にはなかった曲が新たに加えられ、さらに彩り豊かな大曲となりました。
第1部の最後は、打楽器八重奏。曲は「ステンドグラス」。2月の北陸アンサンブルコンテストで見事金賞に輝き全国切符を手にしながら、全国大会は中止。この定演の舞台で、すべての思いを演奏にのせます。
第2部は、学年別ステージ。コロナ以来全員での練習はできません。学年ごとに合奏することで、それぞれの学年がまとまり、互いの音楽性をぶつけ合って技術の向上に努めてきました。
コロナで休校があり、練習ができなくなりました。コンクールが無くなって目標が消えました。友達にも会えず、楽器も吹けず、じっと家にいなければなりませんでした。精神的につらい日々を支えて下さったのは、ご家族の皆さんです。3年生は一人ひとり手紙を書き、この日客席にいるそれぞれの保護者に手渡しました。保護者の胸に泣きつく生徒たち、そんな子の背中を抱く保護者の方々。その姿を見ていると、こちらも胸が熱くなりました。
この日を迎えるまで、顧問はどれだけ気を配って準備をしても不安が消えることはなく、押しつぶされそうな思いを必死にこらえながら走ってきました。「このご時世だから無理」というのは簡単かも知れませんし、心を鬼にしてでもそう言わなければいけないのかも知れません。
ですが、今日のステージで生徒たちが流したたくさんの涙や、一緒にもらい泣きする保護者の皆さんのお姿を見ていると、生徒たちに「部活動」という場所と時間を守ることこそが大人の責任なのではないかという思いがこみ上げてきました。
前日の「福井駅前コンサート」に出演した吹奏楽部、ダンス部、音楽ボランティア同好会、合唱同好会、和太鼓部の諸君も、自分たちの活動に誇りをもち精一杯の演技を見せてくれました。
これからも、感染拡大防止に最大限の配慮と努力を傾注しながら、生徒たちの学びと成長の場としての「部活動」を守っていきたいと思います。どうかそれが許される世の中となりますように!