北陸diary

朗読劇「福井空襲」

太平洋戦争末期にあたる1945年7月19日の福井空襲から75年となる今年の7月19日(日)に、福井市美術館(アートラボふくい)で市民の体験記や詩を題材にした朗読劇「福井空襲」が開催されました。

宇野重吉演劇祭実行委員会が主催とのことですが、本校演劇部から2名、清水 莉紗さん(普通科2年1組)と田渕 伸くん(普通科2年10組)が参加させていただきました。メンバーの中には本校演劇部卒業生2名も参加していたとのこと。ご縁は本当に有難いものです。

福井空襲は1945年7月19日午後11時24分から翌日午前0時45分までわずか81分ほどのことながら、B-29爆撃機127機という福井の街には不釣り合いなほどの大編隊に襲われ、市街地の損壊率84.8%、死者1,576名という大きな被害を受けることとなりました(データはWikipediaによる)。

北陸学園百年史によれば、本校は奉安殿他わずかの施設を残してすべての校舎が灰燼に帰したとのこと。7月24日に空襲後最初の登校日を実施したところ、登校できた生徒605名に対して死者は5名。戦災者は211名だったそうです。市内の学校で焼失を免れたのは、春山、豊の2国民学校と県立福井中学(現藤島高校)、福井商業、福井農林の3中学のみ。福井県は9月17日から授業を再開するよう各校に指示を出しましたが、全教室を焼失した本校は授業をすることができません。焼失を免れた県立福井中学(現藤島高校)に教室の借用を申し入れると4教室を借り受けることができ、この地と福井市大宮のお寺において授業を再開したそうです。県立福井中学(現藤島高校)から教室を借りることができたのは、1933年に県立福井中学(現藤島高校)が火災のために校舎を焼失した時、本校が教室を貸与すると同時に校庭にバラックを建設する便宜を図ったことに対する返礼の意味合いもあったようです。

北陸学園百年史は本校図書館で読むことができます。今年は開学140周年を迎えますが、先人たちの大変なご苦労があって今日の学園の姿があります。生徒の皆さんも一度百年史を手に取って読んでみてはいかがでしょうか。知られざる歴史が、この校地に刻まれていることがわかりますよ。