川口 衞(かわぐち まもる)さん
7月10日(水)付の福井新聞「越山若水」に、昭和26年に本学園を卒業された同窓生・川口 衞(かわぐち まもる)さんが紹介されました。
川口さんは本校卒業後、福井大学工学部建築学科を経て東京大学で学位を取得され、構造設計の第一人者として活躍されました。国立代々木体育館や大阪万博お祭り広場大屋根など誰もが知る名建築の構造設計を行い、県内ではサンドーム福井の屋根を手掛けられました。
そんな大先生が卒業生にいるなら、と新校舎・新体育館建設の際に監修をお願いしたところ、快く引き受けて下さいました。川口さんが本校に在籍された時は、空襲と震災で校舎は全壊し、戦後のバラックで思うように授業が受けられない時代でした。そんな思いを胸に、新しい校舎を建てる計画に喜んで参画して下さったのです。
川口さんの監修が目に見える形になっているのが、新体育館・北陸トレーニングセンターです。「張弦梁」という美しい構造がAアリーナ、Dアリーナ、Eアリーナに見ることができます。
川口さんは今年5月29日に惜しまれながら、他界されました。しかし、その手による名建築は受け継がれ、2020年東京オリンピックでは国立代々木体育館がハンドボール会場に使われるそうです。
川口さんにご監修頂いた北陸トレーニングセンター・Dアリーナは、ハンドボールのJOC競技別強化センターに指定されています。これはご縁というものですね。あらためて、川口さんの偉業とお人柄に思いを馳せつつ、ハンドボール日本代表の活躍を願わずにはいられません。
生徒の皆さんは、北陸学園の校舎が偉大な先輩の手によるものであることを誇りにして、好きなスポーツに思う存分汗を流して下さい。