北陸diary

学校報恩講(御正忌報恩講)

親鸞聖人は、1263年1月16日に90歳で往生されました。このご命日にあたり、本校では毎年1月16日に学校報恩講(御正忌報恩講)を行っています。御正忌報恩講は浄土真宗で最も大切な行事です。京都の西本願寺では1月9日(土)~16日(土)の期間で御正忌報恩講法要が執り行われています。行事を通してあらためて宗祖親鸞聖人のご遺徳を偲び、お念仏に遭わせていただいているご恩に感謝し、報恩感謝の気持ちを表しましょう。


讃仏偈のお勤めの後、朝倉校長先生より放送でご法話をいただきました。


校長先生からは、この度の大雪でお困りになった方がたくさんいらっしゃいましたが、スタックした車の脱出に本校野球部や男子ハンドボール部の寮生が貢献し感謝のお声が新聞に掲載されたり、メールで学校にお寄せいただいたことが紹介されました。2018年に浄土真宗のご門主が示された「私たちのちかい」の中の一節「自分だけを大事にすることなく 人と喜びや悲しみを分かち合います 慈悲に満ちみちた仏さまのように」を想起する振る舞いであり、このような生徒が本校にいることを誇らしく思うとおっしゃっていただきました。

今日は報恩講という行事ですが、親鸞聖人は阿弥陀如来の願いを素直に聞くことの大切さを生涯を通じて説いて下さいました。阿弥陀如来のご本願を聞かせていただくことで、「むさぼり・いかり・おろかさ」という「三毒の煩悩」を少しでも克服できるよう努力することで「仏さまのように」生きることができるのです。

20世紀最高の物理学者と呼ばれノーベル賞受賞でも知られるアインシュタイン博士が訪日された際に、ある高名な仏教者を訪ねられて「仏さまとはどのような存在か」と問われたそうです。その仏教者は「姥捨て山」のお話しをされました。疫病による飢饉の中どうしても年老いた母親を捨てに行かざるを得なくなった息子が老母を背負って山を登ると、老母はたびたび木の枝を折って道に落としていきます。息子は母がこれを目印に家に帰ろうと思っているのかと案じながら目的地に着いて母を背から降ろすと、母は「息子よ、あなたが道に迷わないように枝を道に落としておいたから気をつけて家に帰りなさい」と言いました。この母の姿が仏さまというものです、と仏教者はアインシュタイン博士に説明し、博士は深い感銘を受けられたそうです。

皆さんにも、あなたを大切に思って下さる人や仏さまがいます。その人あるいは仏さまの願いや言葉を素直に聞き、鈴の中で音が鳴るように、それに共鳴して恩に報いる感謝の気持ちを行動につなげるようにしましょう、と校長先生はご法話を結ばれました。


同日、教職員を対象とした宗教教育研修会が本校礼拝堂で行われました。生徒と同様讃仏偈のお勤めの後、宗教科主任・葉柴先生からご門主のご親教「念仏者の生き方」に基づいて、「諸行無常」と「縁起」で表されるこの世界と私たちのありようについてご法話をいただきました。