強くあれ
〜もっと強い自分へ。挑み続ける北陸のstrongerたち。〜
vol.60企画運営したパンフェスで
“高校生の理想のパン”を実現

普通科特別進学コース
特進クラス2年

藤井 大登

普通科特別進学コース
特進クラス2年

藤井 大登

PROFILE
福井大学教育学部附属義務教育学校出身。卓球部、JRC部所属。生徒会執行部 後期美化委員長。1年次に「アオハルフェス」に参加し「パンフェス」を企画・運営。2年次に「みんなの学園祭」で「異世界カフェ」を企画・運営した。

—1年次に「アオハルフェス」に参加されたきっかけを教えてください。
「アオハルフェス」は学生が楽しめるまちづくりを目的に、学生が主体となって一斉に開催する福井市のイベントです。北陸高校に入学してすぐの5月頃、校内で見た「アオハルフェス」のチラシに高校生募集とあって、楽しそうだなと思って小中高と一緒の友達と応募しました。

—どのような経緯で「パンフェス」を企画することになったのですか。
学生主体のイベントだから、できるだけ多くの高校生に関わってもらえるイベントにしたいと思いました。それで自分がパン好きっていうのもあって、パンと学生を掛け合わせたらどうなるかなと考え、パン屋さんとコラボレーションしたオリジナルパンを作ろうということになりました。

—パンが好きというところから発想が広がったのですね。
僕はパンが好きで、お気に入りのパン屋さんによく買いに行くんですけど、周りはコンビニでパンを買ってることが多いし、最近はパンが高いっていうのもよく聞くし。自分と同年代の学生に地元のパン屋さんにもっと足を運んでもらいたいという思いで、お手頃な価格のパンを作れたらなと思いました。

—実現に向け、福井市内のベーカリー店に直接かけあったそうですね。
6月上旬頃から市内のパン屋さんに20店ほど声をかけていって、始めの頃は1店しか決まってなくて。電話で話を聞いてもらっても断られたりすると、つらいというか、心が折れそうになりました。でも最終的に「PANTES」、「あさひるぱん」、「ルオント」、「ブーランジェリーパリジャン」の4つのお店が協力してくれました。

—啓新高校の生徒ともコラボレーションされたそうですが、その経緯を教えてください。
スケジュール的に夏休みの終わりまでにパンを作らないといけなくて、福井県で唯一調理を学べる啓新高校調理科の生徒と一緒にやったら、より多くの人を巻き込めるかなと思いました。啓新高校の先生に話をしたらこころよく引き受けてくださり、啓新高校までお願いに行きました。

—啓新高校の生徒さん達には、どのように説明されたのですか。
各学年に1クラスずつ調理科があり、啓新高校の先生が「1年生から3年生まで全学年のクラスで1時間ずつ授業の時間をあげるので好きにやればいい」と言ってくださって。全学年で約100人に企画を説明し、「今、自分が食べてみたい理想のパンを考えてほしい」とお願いしました。

—オリジナルパンを企画するにあたって、啓新高校の生徒の反応はどうでしたか。
まず高校生が手軽に買えるパンというポイントがあって、1個150円という価格設定だけは妥協できませんでした。その金額でどんなパンが作れるか、基本1人1案ずつお願いしたところ、みんな2個、3個と自分では絶対思いつかないような案をいっぱい出してくれてすごく感動しました。全部で100案以上の中から7案に絞って、啓新高校の生徒8人と4つのパン屋さんと一緒に試作を進めていきました。

—啓新高校の生徒さんのアイデアを受けて、お店の方の反応はどうでしたか。
お店の方は、値段的な縛りもあり、試作の段階で無理なものは無理と正直に言ってくれました。ただ、それでも皆さん高校生と一緒に楽しくパンを作りたいという想いをもってくれており、できる限り応えてくださいました。時間もギリギリで自分たちが何もわからずやっているのを見て、お店の方が相談にのってくれたり、イベントでのレイアウトなども教えてくれたりしました。

—「パンフェス」に出すパンづくりは順調に進みましたか。
10月のイベントに向け、8月に2度の試作を行い、8月末にはほぼいつでも売れる状態にまで形にできました。最終的に各店1〜3つ、合計8つのコラボパンを商品化しました。カラフルなキャンディーみたいなパンをはじめ、ギョーザや焼き芋みたいな見た目のパン、見た目はメロンパンで中身はカレーのパンなどです。価格は、学生と子どもは150円、それ以外は寄付的な意味も込めて250円に設定しました。

—「パンフェス」のスポンサー探しも、大変だったそうですね。
イベントをするってかなりお金がかかるんです。僕らは自分たちでいろいろやったので5万円位しかかからなかったんですけど、その資金も自分たちで集めないといけませんでした。いろんなパン屋さんにチラシを置かせてもらったり協賛してもらったりして、目標資金を集めることができました。そのチラシは、科学技術高校の生徒と一緒に作りました。

—「アオハルフェス」での「パンフェス」の反響はどうでしたか。
福井駅前ハピテラスに「パンフェス」を出店したんですが、朝10時からの販売で、765個のパンが1時間15分で売り切れました。高校生も多く来てくれて、150円でみんな美味しそうにいっぱいパンを買ってくれました。めっちゃ狙い通りで、うれしかったし、楽しかったし、すごい手応えを感じました。協力してくださった4店はイベントが終わった後もしばらくコラボパンを販売してくれて、本当にみんなに支えられてできたイベントだったなって、終わった後に実感しました。

—今年は「みんなの学園祭」で「異世界カフェ」を企画・運営されたそうですね。
「みんなの学園祭」は「アオハルフェス」と同じ趣旨のイベントで、駅周辺の店の協力を得て、スイーツの販売や抽選会などを企画しました。去年、僕自身いろんな人に支えられて成長したので、恩返しでもないけれど、今回は初参加の生徒をサポートして、グループをまとめていくっていう感じで、福井市内のいろんな高校から集まった13人の生徒と協力して取り組みました。

—「異世界カフェ」は、どのようなイベントだったのですか。
イベント当日がハロウィン間近の週末だったので、協力してくださった駅前の7店にハロウィンのスイーツを作ってもらい、スタンプラリーで食べ歩きができるようにしました。メンバーは去年2人で今年は13人だから、意見をまとめるのは大変でしたが、手応えはばっちりでした。

—「ふくいの実践的仮想大学 エキセントリック・カレッジふくい」も受講されたそうですね。
そこではいろんな講師の方の話を聞いたり、受講生同士でワークショップをしたりしました。受講生は高校生から社会人までいて、僕はその中で最年少だったんですけど、本当に社会にはいろんな考えを持ってる人がいるんだということがわかったし、学校では会えないようないろんな人と出会えて、良い経験になりました。

—さまざまな活動を通して、自分の成長を感じたところを教えてください。
去年の「パンフェス」では、とりあえず人の話を聞いて、いろんな考えを受け入れて、実際にやってみようっていうことを学びました。失敗したって、高校生だからどうにかなる(苦笑)。あとは、やりたいって気持ちがあれば何だってできるっていうことにも気づかされました。

—これから挑戦してみたいことはありますか?
やるんだったら、もう1回「パンフェス」をやりたいですね。去年は4店だったんで、次はちょっと壮大に10店舗くらい集めた「パンフェス」をバーンと開きたいです。

—他にも、生徒会や卓球部・JRC部でも活動されていますが、勉強との両立はどうしていますか。
勉強はそれなりに…(苦笑)。卓球部は週3回で、JRC部のボランティアも3ヶ月に1回位の活動で、生徒会は会長とかは大変なので、今は静かに美化委員として見守っている感じです。

—あなたが感じる北陸高校の魅力を教えてください。
北陸高校は生徒数が多く、いろんな人に会えそうだなと思って進学しました。たくさんの人に出会えたことがうれしいし、自分に合う友達を見つけられたのが一番かなと思います。先生もイベントだけに限らず、やりたいことをやらせてくれる環境を作ってくれて、忙しいときは助けてくれるので、本当に感謝しています。

—将来の夢や、これからの目標を教えてください。
進路はまだはっきりとは決まっていないですが、まちづくりに関われたらいいなと思っています。まちづくりに興味をもったきっかけは、中学でのまちづくり探検みたいな授業ですね。その時に、人が笑顔になって幸せって思える場所が作れれば、まちは何とかうまく回るんじゃないかなって思ったんです。勉強も部活も大切だけど、北陸新幹線が延伸開業したこともあり、高校生や若い子がまちの活動にもっと参加しやすくなっていけばいいなと思っています。

—これから入学を考えている未来の後輩にメッセージをお願いします。
北陸高校は人が多い分、いろんな生徒や自分のことをわかってくれる先生がいて、学外活動でもオープンマインドな感じでやりたいと思ったことを全力で支えてくれます。何をしたいか迷っているんだったら、とりあえず北陸高校に入ってほしい。いろんな人と出会って、いろんなことをやっていくうちにもっと迷うこともあるかもしれないけど、絶対、自分を成長させてくれます。

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