強くあれ
〜もっと強い自分へ。挑み続ける北陸のstrongerたち。〜
SPECIAL高校生模擬裁判選手権
全国大会初出場で、金賞獲得。

PROFILE
発起人でリーダーを務める中川さんの声かけなどで、チームを結成。今年6月に開かれた日本弁護士連合会主催の「第14回高校生模擬裁判選手権」県大会で初優勝。8月の全国大会に初出場し、各地の予選を突破した29校の中で見事金賞の栄誉に輝いた。

  • 中川 敬太

    普通科特別進学コース スーパー特進クラス3年

    “突き詰めたことが評価されて、自信にもつながりました。“

  • 竹原 旺佑

    普通科特別進学コース スーパー特進クラス3年

    “受験とコロナ禍の中での金賞、涙が出るほどうれしかったです。”

  • 堀内 陽仁

    普通科特別進学コース スーパー特進クラス3年

    “不意打ちの攻めた質問が成功し、自分達のペースで試合を進められました。”

  • 福田 嘉教

    普通科特別進学コース スーパー特進クラス3年

    “「伝える」という強い思いで、一つの主張を掘り下げました。”

  • 山本 陸人

    普通科特別進学コース スーパー特進クラス3年

    “弁論・論告のわかりやすさと簡潔さが、勝因でした。”

  • 千知岩 弘佑

    普通科特別進学コース スーパー特進クラス2年

    “目の前の課題をクリアすることが最高の仕上がりにつながりました。”

—「高校生模擬裁判選手権」とは、どういった大会なのか教えてください。
中川:「高校生模擬裁判選手権」は、日本弁護士連合会が高校生の法教育の一環として行っているものです。一つの事件を題材に、参加校が検察チームと弁護チームをつくり、プロの支援を受けながら証人尋問や被告人質問をする模擬法廷をするもので、今年、北陸高校は県大会で優勝し、全国大会に初出場しました。

山本:県大会に応募したのは、今年の3月頃です。昨年はコロナ禍で中止になり、今年は当初4月に開催する予定だったんですが、やはり感染拡大の影響で県大会が6月に延期になり、全国大会は8月にzoomでの開催となりました。

竹原:北陸高校が「高校生模擬裁判選手権」に初めて参加したのは2年前です。そのときは県大会で敗れてしまいましたが、そのときの先輩方がいたからこそ、今回僕らが県大会を通過できたのだと思っています。

—全国大会出場に向け、具体的にどのような準備をされましたか。
中川:メンバーと一緒に裁判所で本物の裁判を傍聴させてもらいました。裁判って人ひとりの人生を大きく変えてしまうもので、人にものごとを伝える難しさがわかると共に、この主張を絶対に突き通したいという信念の大切さを感じた体験でした。

竹原:初めて裁判を見たわけですけど、傍聴席にまでピリピリした空気が伝わってきました。やっぱり人を裁くっていうのは、検察も弁護士も裁判官の人も怖いくらいの気迫で真剣にやっていて、簡単なことじゃないんだと強く感じました。

福田:正直な感想でいうと、ドラマとかで見ていた裁判と本物はやっぱり違いました。あんなにかっこよくしゃべらないし、「異議あり」とかもいわないし(笑)。弁護士や検察の方がしっかり準備をしてこられていて、事前準備の大切さを感じました。

山本:その他には、弁護士協会から大会出場校に支援弁護士を派遣してもらいました。検察の方にも来ていただき、法律関係の方の話を直接お聞きできる貴重な機会でした。

—弁護側・検察側、それぞれどのような役割分担で取り組まれましたか。
まずは、検察側のチームからお願いします。

山本:検察側は主尋問、反対尋問、最終の論告があり、みんなでいろんな角度から意見を出しあいながら、チームワークで連携してやっていきました。難しかったのは、検察側は裁判で100%有罪を証明しないといけないこと。「疑わしきは被告人の利益に」になるので、供述調書の中から使えることを積み重ね、それを全部組み込んで文章をつくっていくのはすごく大変でした。


中川:はじめに最終的な自分の意見をいう論告を考え、そこから逆算して供述調書に書かれていないことを主尋問や反対質問で聞き出さないといけない。自分のした尋問に対して返ってきた答えに焦らないよう、みんなでディスカッションしながら練習しました。

千知岩:主尋問や反対質問で一つでも聞き落としがあったら、被告人は有罪だというロジックが崩れてしまうので、いかに話を引き出すかが難しかったです。言葉に含まれる意味を読み解き、「人間は普通こうだったら、こう思うよね」というのを加味しながら文章を構成し、それを時間通りに相手に伝わるよう読み上げるのは苦戦しました。

—続いて、弁護側のチームのお話を聞かせてください。
竹原:弁護側は反対尋問、主質問、最終弁論という役割があり、僕は弁護する対象である被告人に質問して、こちら側に有利な証言を引き出すところを担当しました。さっき山本くんが「100%有罪を証明する」と言いましたが、弁護側は「検察の主張を1%崩せば勝ち」になります。でも、これが簡単じゃなく、相手からネチネチと粘り強く証言を引き出す力の大事さを感じました。

堀内:僕は反対尋問を担当しました。検察側が用意した証人に尋問し、こちらに有益な情報や、あちらの理論を崩せる証言を引き出すんですが、それがなかなか難しい。相手の返答を踏まえてどう聞き出すかという柔軟性と、こんなこと聞かれないだろうっていう不意打ち的なものをはじめ、いろんな方向から質問する意地悪さも必要だと思いました。

福田:僕は最終弁論の主張をつくる役割で、一つのことをとことん掘り下げて主張することを大事にしました。自分の主張を人に伝えるときは相手の目を見て話すとか、手や体全体を使ってジェスチャーするなど基本的なことも大事で、全国大会はzoomだったので目をあわせるのは難しかったのですが、「伝えるぞ」という強い思いをもって話しました。

—金賞受賞の決め手は、どこにあったと思いますか。
堀内:検察側の証人に反対尋問するとき、成功するか失敗するかリスクは大きかったのですが、けっこう攻めた質問をしてみました。文章にはない情報を想像して不意打ちの質問をしたとき、証人が苦笑いして「これはいけるな」と思う瞬間があり、そのまま自分のペースに持ちこみました。

福田:弁護側チームとして、他の二人のおかげというのはあります。僕が一つのことにこだわって主張しようとしたことについて、堀内くんが不意打ちとかを入れながら反対尋問をしてくれて、主張もしやすくなり勝利につながりました。

千知岩:制限時間内にどれだけ詰められるかというのもあり、オーバーしたら減点対象だし、逆に短かすぎると相手から「ちゃんと聞いてるのかな」と思われてしまいます。練習のときから全員が時間を意識し、スピードを調整していったのも大きかったのかなと思います。

山本:他校より頭一つ抜けていたのは、弁論・論告のわかりやすさと簡潔さだったと思います。北陸高校のパソコンを3台使い、黒板のスクリーンにパワーポイントの画面を映して説明するなど、相手に主張がわかりやすいよう工夫したことが大きな要因になったと思います。

—金賞発表のときは、どんな気持ちでしたか。
千知岩:発表は東北の学校から順に学校名が呼ばれ、最初にそれぞれ総評があってから結果を発表していくんですね。僕たちの番になって、総評の後「北陸高校、ゴールド、金賞です」って言われた瞬間、みんな飛び上がって「オーッ!」てなりました。

竹原:僕らは受験生で時間に余裕があったわけでもなく、コロナ禍で延期になったりもして、苦しい中みんなでやってきたので、涙が出るくらいうれしかったです。総評が厳しめな感じだったので、金賞をとれたときは椅子から転げ落ちるぐらい喜びましたね。

山本:金賞って言われたときは、本当にうれしかったです。あんまり覚えていないんですけど、思わず椅子を倒しちゃったくらいです(笑)。

福田:個人的な話になるんですけど、僕はこれまで「これはもう突き詰めてやったぞ!」っていうのはあまりなかったんです。でも、今回は「全力でやろう!」って意気込んでいて、そこでの金賞だったので、自分の歴史の中で上位に入るくらいすっごいうれしかったです。

堀内:けっこう自信のある戦いを展開できた印象だったので、金賞発表時はこの中で一番冷静だったと思います(一同笑)。ただ、zoomでの開催だったので、他校がどういう戦いをしていたかがわからず、結果が予測しがたかったのはあります。そんな期待と不安が大きい中での金賞受賞だったので、よりうれしい気持ちが込み上げたのかなと思います。

中川:地区大会もしかりなんですけど、夜8時頃まで学校に残って練習し、本当に頑張ってきたんです。一番上を取るために自分たちが突き詰めてやってきたことを評価されてすごくうれしかったし、これだけできるんだって自信にもつながりました。

—将来の夢と、これからの進路について教えてください。
山本:僕は経済学部を志望しています。大学では留学して違う文化に触れたいし、本場で経済学とかいろんな学問を学びたいです。将来やりたいことはたくさんあるんですが、一番したいのは大好きな音楽の分野で、世界から遅れている日本の音楽産業に貢献したいです。

堀内:小さい頃は医者がヒーローみたいに見えて憧れていたのですが、社会には様々な仕事があることを知り、今は社会自体を作るような仕事を創りたいと思っています。医者がケガや病気を治してマイナスをゼロにする仕事だとするなら、僕はゼロをプラスにもっていける仕事をしたいです。大学では社会の基盤である法律を中心に多彩な分野を学びたいので、他学部や他大学、海外の提携大学などと交流性の強い大学に進みたいです。

福田:大学で法律を学びたいと思っています。日本で生きているうえで法律は切っても切れないもので、それを学んでおくことはすごく大事なこと。何も知らないままの人間じゃなく、主体的に関われる人間になりたいです。

千知岩:小学生のときから、ずっと法律関係の仕事に就きたいと思っています。将来は弁護士になりたくて、できるだけ近い道でなれるよう司法試験合格率の高い大学の進路を考えています。さらに、法教育という視点で、次世代の子どもたちに法律というのをイベントなどで伝えて、未来の法曹界を担う人材育成を行っていきたいと思っています。

中川:法学を学び、大学で弁護士資格をとって、将来は世界の法整備や日本の抱える様々な問題の対策に取り組んでいきたいです。また、国体選手にも選ばれた弓道を続けたいので、弓道の強い大学を目指しています。

竹原:以前は法学志望だったんですが、中学2年生のとき福井市ジュニア大使で韓国に行ったのを一つのきっかけに、今は国際関係に進路は変わっています。国際社会や経済を学ぶ上でも法学は大事ですし、今回の経験が進学で活きたらいいなと思っています。

—未来の後輩たちに、メッセージをお願いします。
中川:僕が座右の銘として大事にしている「而今(ニコン)」は、「今を生きなさい」という意味の言葉です。高校時代の今しか挑戦できないことがたくさんあるので、今を大切に生きてほしい。自分の好奇心や思いに対して全力でやれば、その先に何かがあるはずです。

竹原:何かに参加してやりとげるのは簡単なことじゃないけど、終わった後しっかり成長できていると身にしみてわかります。模擬裁判や英語のディベートなど高校ではいろんな大会があるので、進学や就職だけじゃなく、いろんなことに挑戦してみるといいと思います。

山本:志望した高校に受かったとか落ちたとか気にせず、高校生活を楽しんでほしい。模擬裁判をはじめいろんなことに挑戦したり何かを始めたり、自分の楽しみを見つけてください。

福田:自分が「できる」と、思わないことです。「できる」と思っていると、考え方に偏りがでて、柔軟性がなくなってしまう。挫折をおそれず、いろんなことに挑戦することで、柔軟になったり、今の時代の多様性が身に付いたりするんじゃないかなって思います。

堀内:良くも悪くもなんですけど、多少は楽観的になることが必要じゃないかなと思います。自分が何かにぶつかったときとか絶望したときとかに、立ち直る力が一番大切。それがすべてではないし持ちすぎてもダメなんですけど、楽観的な視点を身につけてほしいです。

千知岩:「チャンスの神様は前髪しかない」というので、過ぎてしまったら取り返すことはできないけど、今、目の前にチャンスがあるなら、とりあえずやってみてほしいです。誘われて参加するのも大事なことで、来年も「高校生模擬裁判選手権」に僕も出場する予定なので、ぜひ一緒にやりませんか。男女学年問わず、メンバー募集中です(笑)!前人未踏2年連続金賞、目指します!

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