国内最大のスポーツの祭典・福井しあわせ元気国体には、北陸高校からもたくさんの生徒が出場参加しました。
50年ぶりに地元で開催される国体にむけた選手の意気込みや、
さまざまなカタチで大会に携わる北陸高生たちの活躍をレポートします!

第3回 
自分を変えた金メダル

福井県勢の大活躍や熱気あふれる応援で、
素晴らしい大会となったふくい国体・障スポ。
北陸高校の選手たちも、みんな本当に頑張ってくれました!

国体・障スポを通し、北陸高校唯一の金メダリストとなった泊優佳選手に、
大会までの道のりと大会を通して感じたことをお聞きしました。

障スポ・福井しあわせ元気大会 陸上競技 肢体不自由女子1部
200m(区分22)金メダル
100m(区分22)銀メダル
泊 優佳(1年)普通科 進学コース

  • スポーツの団結力や一体感への憧れがきっかけ。

    私は生まれつきの脳性まひで、立ったり歩いたりするときにかかとを床に着けることができない障害を持っています。
    だから、体育の時間はいつも憂鬱で、みんなと同じことができない自分がすごく嫌でした。
    中学校では文化部に所属していたのですが、友達はみんなスポーツの部活動をやっていて、団結力や一体感があって、それがとても羨ましくて。
    「あの一体感を私も味わいたい!」と思ったのが、陸上に挑戦するきっかけでした。

  • 学校のサポートのおかげで叶えられた国体出場。

    最初は、母と一緒にゆっくり歩くことから始めました。
    歩きすぎると痛くなっちゃうので、無理せず、筋肉を和らげるストレッチも組み合わせて、徐々に距離を伸ばしていきました。
    中3の夏に行われた福井国体のプレ大会が、初めての大会出場となりました。そこで全国3位のタイムを出すことができたんです。
    北陸高校に入学後、担任の先生に国体に出たいって話したら、行っておいでって背中を押してくれて。
    部活動が盛んだから、学校を挙げて国体に取り組んでいて、手厚くサポートしてくれました。
    中3のプレ大会の時は、申請や手続きを全部自分でやらなくてはいけないのがとても大変だったんです。
    だから北陸高校のサポートは本当にありがたくて、自分のためじゃなく、学校のため、担任の先生のために絶対メダルを獲ろうと、勇気をもらいました。

  • スポーツの一体感やチカラを、いっぱい感じることができた。

    決勝本番では直前まで緊張していましたが、いざ始まると自分のペースを心がけて走ることができました。
    家族や先輩、友達の声援もちゃんと耳に届きました。
    声援が聞こえると、金メダルを獲りたい!っていう想いがぐっと湧いてきて。
    結果はタイム判定で、1位になったことがわかった瞬間はもう「やったーーーーー!!!」って感じなんですが、次の瞬間浮かんだのは「この学校に来て良かった」ってことでした。
    先生たちと会えて、ここで走れて。北陸高校じゃなかったら、こんな経験できていなかったかもしれない。
    だから本当によかった!そんな気持ちでいっぱいになりました。

  • 大会期間中は、福井県のジャージを着ているだけで知らない方でもみんなが応援してくれるので、いっぱい勇気をもらいました。
    私自身も、他の福井県選手の応援をしたり、一緒に喜びあったり。
    そもそも陸上に挑戦するきっかけになった「スポーツの一体感」をいっぱい感じることができて、もうすごく楽しかったです。

  • 障害を、愛すべき個性だと自分で自分を認められるように。

    この大会を通じて感じたのは、自分一人で闘ってるわけじゃないということ。
    同年代の子たちがそれぞれの障害をもちながら、それぞれの種目で頑張っていて。
    同年代のみんなとの交流を通して、私だけじゃないんだって、一緒に闘ってるんだって思えるようになりました。

  • あと、みんなと同じスポーツができなくても、私にはこれができるんだ!って自分で自分を認めることができるようになりました。
    前は人と違うことが嫌だったけど、今は愛すべき個性なんだって思えるし、価値観が180度変わりました。
    今の目標は、来年の茨城ゆめ国体で新記録を出すことと、東京パラリンピックで金メダルを獲ることです!

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